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手穴かがりの職人2

アパレルとか洋服に関係した仕事をしていても、普通の人は”機械のボタンホール”か”手かがり”によるボタンホールか分からない場合があるようです。

素人のハンドホールならすぐ分かるかも知れませんが、プロの仕事はやはり綺麗なので。

まず前提としてその「見る目」を持っている事、そのうえでも別格だと判断された事。

それが大変誇らしかったんだろうなと、今更ながら思います。

時々ひまのあるときは横でやり方を見させてもらいました。

やっぱり手順はほぼ同じ、同じようにやっても仕上がりは全然違う。

時々コツも教えてくれるのですが、やはり「手加減」「手の感覚」次第というところなのでしょう、道のりはまだまだ遠い。

一つや二つならまぁ出来るんですが、ジャケットの袖は大抵片方に4つ、左右合わせて計8つかがらなくてはなりません、それを同じ様に均一に揃えるのがベテランの腕です。

「手穴は少々アバウトな感じがあるからこそ手の温もりみたいなのがある」

否定はしません、ただ本当にヘタクソでそれを誤摩化すもっともらしい言い訳のようにも聞こえます。

夏物の薄い生地でもツイードのような厚い生地でも均一な仕上がりに持って行くのがまた日本人らしいというか、イタリアの職人では知ったこっちゃないかも知れませんね。

「わしのあとはおまえが継いでやれ」

嬉しい事を言ってくれました、ただ会社内ではそれぞれにやる事出来る事が決まっており思うようにはならないのが組織ですよね。

世間一般ではとっくに定年の年齢でも職人だからこそ働き続けられる、しかし癌と診断され入院治療を経て一旦現場復帰されましたが、残念ながら数年前に他界されました。

本人は本当にプライドを持っていました、自分で「いまやわしは日本で3本の指には入る」と言ってたような(笑

こればっかりは毎日毎日本番で継続しないと上達しないとおもうので道のりは遥か先ですが、これからもお手本とさせていただきます。

↑参考にしろと昔作ってくれた見本です。中心の黒っぽいのが師匠の手穴。

グレーのは僕の仕業です、悩みながらかがっているのが伝わりますね(笑

こういう見本をいくつかもらったんですが、自分も後輩にあげたりして手元にあるのはこれだけ。

でもこうやって見ると綺麗すぎてマシンホールと思われても仕方ないクオリティですね。