

- 2017年4月23日
スボンの裾の折り返し
パンツ、スラックス、トラウザース、ズボン色々呼び方はありますが今回は「ズボン」と呼ぶ事にします。 パンツだと下着っぽくも聞こえるし、トラウザースやスラックスよりズボンのほうが文字打ち込みが楽なので、ただそんな理由だけで深い意味はありません。 折り返しというのはカブラのことで特に今回言いたいのはその留め方のことで。 「糸留め」か「スナップ釦」「釦留め」かというだけの話しです。 ご存知のように裾をダブルに仕上げた際、ぺらぺらしないように両サイドを留めるアレで、みなさんどちらを選択されますか? *糸留めの場合 フラットでスッキリとした見た目 外れにくい 固定されているのでブラシがややかけにくい *スナップ留めの場合 厚みが出るためやや浮いたようになる 付け外しが容易なので埃取りのブラッシングがしやすい 簡単な特徴ですが作業する側からいえば「糸留め」>「スナップ」>>「ボタン留め」が楽です ボタン留めはクラシックなディテールでシームを利用したスリットを作ってそこにボタンで留めます。 個人的にはスナップ釦はどうしても金具がチラチラみえて、あまり好きでは無い


- 2017年4月21日
マイジージャン
街を歩いていると学生さんやOLさんら若い女の人にジージャンや黒のレザージャケットが流行っているらしく、肩に引っ掛けるようにして歩いているのをよく見かけます。 あのスタイリングを見ると僕はなぜか「JB」が頭に浮かびます。 そうジェームスブラウン。あのステージで歌い、力尽きたかのような背中に執事がガウンをかけ、ヨロヨロとステージを去ろうとする…と思いきや突然復活してガウンをはねのけシャウトする、このループ。 有名なアレの、JBがガウンを肩に羽織ったあの感じをいつも連想してしまいます。 それくらい肩にひっかけるって不自然、って思って。 なで肩だったらずり落ちそう、とか、つり革掴まるときはどうするのかな?とか…、あ、こんな事言ってると怒られますよね。 そんな事を思っていたらジージャンを着てみようという気になって、時期的にもちょうどいいし、久しぶりに羽織ってみました。 若干胴体はきついけど、まだ前は留まるレベル。 これはもう15~6年前かな?フルカウントで新品をリジットの状態で買って、今はこんな感じになってます。 よっぽど気に入って着ていたからか、気がつく


- 2017年4月17日
着丈詰め(肩線から)
今回はちょっとマニアックでテクニカルなお直しですが、着丈を裾の方からではなく肩から詰めて全体をグイッと持ち上げるような詰め方を撮ってみたのでアップします 。 昔っぽさを感じるジャケットはゴージラインが低めで、鎌底(脇の位置)も低いから脇がゆったりして袖が太くなり、そのうえフロントボタンや腰ポケットも下目なので胴長短足に見えがち。 なので上の方から詰めてやるとそれらを一気に解消できます。 ただし難易度は高めなのでドキドキする仕事です。 まず諸々をバラします。衿は地衿と上衿とに分離します。 今回は肩パットも外してシャープなショルダーラインに。 上から2.5センチ分カットします。(サラッと言いましたがここがまずいと全て台無しになりかねないのでよーく考えてから行います)切ってしまうともう後戻りできないので前進するのみ。 肩を縫い合わせて衿みつの伸び止め。 地衿を中心で短くなった分接いで取り付けます、これはカラークロスと衿芯が全面接着のものでした。 上衿(表衿)は一枚でないといけないのでこのように沿わせていきます。 これがディテールの説明でよく言われる「ヒ


- 2017年4月12日
ダウンジャケットを洗う
衣替えの季節。 私物のカナダグースを自宅で洗濯してやろうと、前々から思っていた事を今回実行してみました。 冬の最も寒い1~2ヶ月ほどしか出番が無いわけですが、アウターとはいえ加齢臭も蓄積されそうな気もするので一度さっぱり水洗いすべきではないかと思っていました。 今まではクリーニングに出していましたが、出しに行くのも引き取りに行くのも後回し後回しにしてしまううえに、そもそもクリーニングって実際どうなん?というのがちょっぴり頭の片隅にありました。 というのも昔、ほぼ毎日ドレスシャツを着ていたころは何枚かまとめてクリーニングに出していたのですが、ふと気づくとずいぶん生地が傷んでいる気がする、ボタンにひびも入るし、貝ボタンもキシキシに。 洗浄力もプレスも強いからお気に入りのシャツも傷みが早いように思えて、それ以来ドレスシャツは自宅で手洗い、アイロンするようになりました。 仕事柄アイロンする事に抵抗は無いので。 やっぱり丁寧に付け置き洗いするのが一番ダメージが少ないと思って、お気に入りの洋服、ニットやアウターなど含め大抵のものは自宅で自ら洗うようになりまし


- 2017年4月7日
袖丈を詰める
定番的なお直しでジャケットの「袖丈詰め」があります。 袖口からシャツのカフスが少し見える程度にすると俄然かっこ良くなります。 まずそもそもシャツの丈、カフスの手首一周のおさまり具合など決めるべきベースはありますがひとまず横に置いといて 「ジャケットの袖は下から詰めるか上から詰めるか」 今回はこれをテーマにします。 基本テーラードジャケットの話しになるのですが、難易度でいうと袖口から詰める方が易しく、料金も低めです。 問題は肘から先だけ短くなるので「あき」が足らなくなったり、詰める程袖口が広くなったり、メリハリの無い筒袖のような雰囲気になったりする恐れがあります。 2~3センチ程度で本開きになっていなければ袖口からが良いと思います。 肩から(袖山から)詰める方は難易度は高く、また直し屋、職人によって仕上がりにばらつきがあります。 なぜそんな事になるのでしょう? 「これはこうやって、こうすべき」という教科書の様なものがないからです。 各々の職人の経験と技術に委ねられているただそれだけの事だと思います。 規格、もしくは交流会、勉強会などあれば浸透して統


- 2017年4月6日
服が窮屈に感じたら
暖かくなってきて、そろそろ冬物を片付けて春物を引っ張り出す時期になりました。 久しぶりに春物を羽織った時、「あれ、服縮んだ?」と感じた事はありませんか? それは本当はあなたの身体に余分なお肉がついたせいかも知れませんよ!(ドーン!) 一種のあるあるかも知れません(自分含む)ちょっと糖質控えるとか(自分含む)運動してみるとか(同) 肉体のシェイプアップができればもちろんベストかもしれませんが、そうも言っていられないときは服を少し拡げることも可能です。 前置きが長くなりましたがここからが本題です。 洋服のお直しの場合基本的には小さいサイズを大きくするより、大きいサイズを小さくする方が、出来る事は多いです。 今のほとんどの洋服は縫い代(縫い込み)が1センチ程度で全てそろえられています。 ただ昔からの名残で紳士服のジャケットの背中の中央には2センチほどあります。 時々後ろの脇側にも1.5センチくらいの縫い代がついてたりします。 (スーツはもともと体型に合わせて多少調整できるような構造になっている為、スラックスのお尻からウエストの部分、内股の後ろ側、スラッ